白い歯を蘇らせるには、歯のホワイトニングを行うことが必要ですが、全ての人にホワイトニングが有効という訳ではありません。というか、ホワイトニング控えたほうがいいという人もいます。
1.妊娠中、授乳中の方
妊娠中の方や、授乳中の方は、歯科医院やデンタルクリニック、審美歯科で行うホワイトニングは控えた方がいいと思います。
特に飲み薬を飲む訳ではりませんが、体がデリケートな状態ですので、なるべく外部からの刺激は控えたいところです。
しかし、どうしてもホワイトニングを行いたいという時には、ホワイトニング効果があると言われている歯磨き粉や市販のホワイトニング材による、セルフホワイトニング(ホームホワイトニング)を自己責任で行うことですね。
2.無カタラーゼ症の方
カタラーゼというのは、過酸化水素を分解する働きを持っている酵素ですが、これが不足している無カタラーゼ症の方に、ホワイトイニングを行うのは危険です。
無カタラーゼ症は、別名、高原氏病とも呼ばれる病気で、遺伝的酵素欠損による先天的な病で、体内のカタラーゼが不足している状態です。
歯科医院やデンタルクリニックで使用するホワイトニング剤には、過酸化水素が含まれていますので、カタラーゼが不足していると、ホワイトニング剤の過酸化水素が充分に分解出来ない可能性があります。
過酸化水素が充分に分解されないと、体内に有害物質の過酸化水素が蓄積され、口腔内が壊死してしまう事もありますので、とても危険です。
3.重度テクラサイクリンが原因の場合
テトラサイクリンとは、テトラサイクリン系抗生物質のことで、このテトラサイクリン系抗生物質は、昭和40年代を中心にマイコプラズマ肺炎や百日咳の特効薬として、また風邪薬のシロップなどに使われていた薬です。
テトラサイクリンが胎児期や永久歯の形成期である0歳~12歳の間に体内に取り込まれると、形成中の歯に含まれるカルシウムと結び付き、象牙質の中に沈着します。この沈着した物質に紫外線があたると、光化学反応を起こして、象牙質の色が徐々に黄色から褐色、さらに濃い色へと変化してしまいます。
テクラサイクリン系の抗生物質としては、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロールテトラサイクリンなどがありますので、これらの薬を服用するときは、注意が必要です。
テクラサイクリンによる歯の色の変色は、象牙質の変色ですので、ホワイトニングを行っても、効果があまり期待できません。
4.金属材料の影響で変色している場合
歯の治療で使った金属の詰め物や補強材によって歯が変色する事もあります。
虫歯の治療で使われる銀歯も、長い年月の間には腐食したり、唾液と反応してイオン化して口腔内に溶け出したりします。そうすると、歯と詰め物に間に隙間ができて、虫歯や歯周病の原因となったり、歯茎や歯に沈着して変色を引き起こします。
ホワイトニングを行っても、金属の詰め物自体が白くなることは無く、金属によってできた色素沈着が白くなることもないので、金属材料の影響で変色した歯には、ホワイトニングの効果が期待できません。
自分の歯が、これらに該当しているからといって、ホワイトニングは出来ないと悲観する必要はありません。
これらは、歯科医院やデンタルクリニックで行うホワイトニングには適しませんが、自宅で行うセルフホワイトニングなら、その方法によっては取り組む事も可能ですので、諦めないでくださいね。